劇場版名探偵コナン22作目「ゼロの執行人」は2018年に公開された映画です。
この作品は名探偵コナン映画シリーズでも人気がある作品として知られており、2018年の興行収入ランキングでは2位となっています。
また、日本アカデミー賞では最優秀賞アニメーション作品賞を受賞するという功績もあります。
ところが、ゼロの執行人を"つまらない"とか"ひどい"などという意見が一定数存在しています。
そこで今回はゼロの執行人の評判・口コミをもとにひどいなどと言われる理由を見ていきたいと思います。
※ネタバレあり
ゼロの執行人がひどいと言われる理由について
ゼロの執行人がひどいと言われる理由としては以下があるでしょう。
- 公安警察関連の設定などがわかりにくい
- コナンと安室ばかりが目立つ
- アクションシーンが非現実的
- コナンの雰囲気らしからぬ描写が多い
これらについて詳しくみていきます。
公安警察関連の設定などがわかりにくい
ゼロの執行人は公安警察の仕組みや裁判の仕組みについて触れた映画ですが、映画内の説明だけではわかりにくいですよね。
検察庁の公安…警視庁の公安…小五郎が送検された…
まあよくわからんですね。
送検は警察によって逮捕された被疑者を検察官に引き継ぐことです。ゼロの執行人の場合は小五郎の身柄が検察に引き渡されたので身柄送検となるようです。
ゼロの執行人では、蘭は小五郎が送検されたことを白鳥警部から聞いたとき、泣きながら「なんで、お父さんが…」と漏らしていましたが、送検がどういうことかの説明はありませんでした。
これは一例ですが、なかなか1回見ただけで理解はできないですね。
まあ、小五郎が送検さらたシーンは蘭が泣いていたり、コナンが鬼気迫る表情だったので、雰囲気でやばい状況というのは伝わるんですけど。
コナンと安室ばかり目立つ
ゼロの執行人は公安警察の話がメインなので仕方ないのかもしれませんが、コナンと安室が中心となっています。
他の主要キャラの蘭や小五郎、灰原などに大きな見せ場があるというわけではありません。
小五郎は冤罪の被害者になっただけ、蘭はただ悲しんでいるだけ？みたいな印象ですね。
その分、安室の出番が多いわけですが、いろいろなキャラの見せ場が欲しいというのはあったりしますね。
アクションシーンが非現実的
クライマックスで衛星が落下してくるのを防ぐために、博士のドローンに爆弾を持たせて衛星にぶつけますが、衛星についていたカプセルが避難場所へ落下するという状況になります。
コナンと安室はそれを止めようとするのですが、そのアクションがかなり非現実的と言っていい内容なので、やや冷めました。
特に、渋滞を乗り越えて現場へ向かう際に壁を走ったり、電車の側面を走ったりしていて、さすがにそれはないだろってなりましたね。
まあ、アニメ映画ということもあるし、ある程度はオーバーな表現もありなのかもしれませんが…
コナンの雰囲気らしからぬ描写が多い
例えば、コナンの力を借りるためとはいえ、小五郎を無理やり冤罪にしたり、コナンが灰原にイライラして声を荒げたりするのは、なんかコナンの雰囲気らしからぬ気がしてしまいました。
単純に映画としての要素としては、まあいいのかもしれませんが、名探偵コナンシリーズとはちょっと違うのかなーって感じですね。
蘭も小五郎が送検された際に泣いていましたが、送検された段階ではまだ有罪確定ではありません。
コナンや英理はそれを教えてあげなかったのかとか、いろいろ引っかかる感じです。
Amazonレビューの意見まとめ
ゼロの執行人の評判や口コミを調べるためにAmazonレビューから意見を拾ってきました。
Amazonのレビューを見るとおおざっぱに以下のような意見がありました。
およそ50件くらいから拾ってます。
- ゲスト声優はやめてほしい
- 推理の証拠などが後出しで伏線回収要素がない
- もっとわかりやすくしてほしかった
- 小五郎に罪を着せてる意味はなかったし蘭がかわいそう
- 安室のアクションがギャグレベル
- 安室に寄せすぎ
などの意見があるようです。レビューは下から見ることができます。
Amazon.co.jp：カスタマーレビュー: 劇場版 名探偵コナン ゼロの執行人
ゲスト声優はやめてほしい
この意見が結構多くありました。
ゼロの執行人には劇場版名探偵コナンシリーズ恒例ですが、ゲスト声優が何人か登場しています。（以下敬称略）
アナウンサーの二人は出てるシーンが極めて短いのでたぶんレビューでは触れられてません。
上戸彩と博多大吉はメインの登場人物の声優なのでそれを指していると思います。
上戸彩は橘 境子、博多大吉は羽場 二三一の声を担当していました。
この2キャラはそこそこセリフはあるキャラでしたが、上戸彩は女優、博多大吉はお笑い芸人ということで演技の経験はあるという判断なのでしょう。
過去のコナン映画ではもっとひどい声優もあったので個人的にはあまり気になってなかったです。
とはいえ、プロの声優ではないのは事実なので、よく思わない意見もわかりますが。
推理の証拠などが後出しで伏線回収要素がない
ゼロの執行人の犯人は日下部誠という検事で、IoTテロや衛星を落下させるという犯行でしたが、そのトリックは深く語られませんでした。
どちらかというと動機のほうに重点がおかれており、ドラマ要素が強い印象です。
冒頭の爆破事件のときに日下部が提出した資料が犯人しか知りえない情報というのが一応あるのですが、気づくのはなかなか難しいですね。
「待てよ…たしか…」みたいな、コナンが違和感を覚えるなどの描写があれば、まだよかったのかもしれません。
もっとわかりやすくしてほしかった
これもAmazonレビューには多かったです。
しかし、すでに書きましたが、検察や公安の細かい事情はわかりづらいですし、IoTテロやサイバー攻撃の説明も少なく、子供には厳しいでしょうね。
ただ、否定的な意見ばかりでなく、複雑な要素について
「子供だけでなく大人も楽しめた。」
という意見もいくつかありました。
一応、IoTテロに関してはアニメオリジナルで説明があります。
アニメ第898話「ケーキが溶けた！」でIoTテロに触れているので、それを見ていたら多少はわかるかもしれません。
ゼロの執行人の脚本家の櫻井武晴は相棒シリーズなどを手掛けていることも、影響したのかもしれませんね。
小五郎に罪を着せてる意味はなかったし蘭がかわいそう
公安警察や安室の手段を選べないやり方が嫌だという意見もいくつかありました。特に、小五郎に罪を着せたことで蘭がかわいそうという意見が多かったです。
安室が小五郎に罪を着せたのはコナンを協力させるためですが、コナンなら話をすれば協力してくれそうなのにそこまでする必要あるのか？
という意見もあり、納得性がありました。
また、映画では冒頭の爆破事件を阻止できなかったことや、羽場が自殺したと嘘をついたことが犯人の動機になったことなど公安がやることが裏目にでていました。
それでも、安室の態度が正義のために仕方ないという感じで嫌だったという意見もありました。
ゼロの執行人の安室は最初、怖かったですからねぇ。風見に対しても厳しかったですし。
あとは、「コナンはもっと安室を責めていい」みたいな意見もありました。
安室のアクションがギャグレベル
終盤のカーアクション全般がありえないとかギャグレベルでしらけたみたいな意見が多くありました。
ただ、アクションに関しては面白かったという意見も多く、人によって評価が分かれているところでしょうね。
個人的にはやりすぎというか、非現実的だと思ってしまってあまりプラス材料ではないのですが、子供とかのことを考えれば派手なアクションは欠かせないでしょうね。
ただでさえ、今回の映画は話が難しいですから、見た目のインパクトを過剰にしておかないと子供にとってはつまらない映画で終わるかもしれません。
安室に寄せすぎ
ゼロの執行人は安室が活躍するシーンが多く、他のキャラクターの見せ場が少な目なのが低評価につながっている人も多かったです。
昔のコナン映画シリーズのようになってほしいとか、安室好きな腐女子向けなどの意見もありました。
ただ、PrimeVideoのほうのレビューは結構否定的だったのですが、ブルーレイのほうのレビューは安室さんがかっこいいという意見もかなり多かったので、制作側としても間違いではないのかもしれません。
ゼロの執行人の評価まとめ
この記事では、ゼロの執行人がひどいと言われる理由についてまとめました。
Amazonレビューの意見を踏まえると
- ゲスト声優はやめてほしい
- 推理の証拠などが後出しで伏線回収要素がない
- もっとわかりやすくしてほしかった
- 小五郎に罪を着せてる意味はなかったし蘭がかわいそう
- 安室のアクションがギャグレベル
- 安室に寄せすぎ
という理由が上げられるようです。
ただ、安室のアクションが面白いと感じている意見も多くありましたし、安室にフォーカスした展開も好意的に感じている人も多くいるようです。
2018年興行収入ランキング2位が示す通り、面白いと思った人が多いということだと思います。
見る人すべてにとって面白い映画を作るというのは、まあ無茶な話ではありますし、最近のコナン映画の流れを汲んでこのような作品になってのではないでしょうか。
安室透は近年のコナン映画で頻繁に登場するようになったので、それについてはこちらの記事でまとめてます。
