「劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕」(1999)はポケモンシリーズの第2作目の作品です。
興行収入は64億円。前作の「ミュウツーの逆襲」よりもやや下がっていますが、それでもヒット映画といえるレベルです。
今回はそんな「ルギア爆誕」を見たことがなかったので、見てみた感想、考察、レビューを行っていきたいと思います。
「ルギア爆誕」感想・考察
今作はアドベンチャー映画
前作の「ミュウツーの逆襲」はポケモンアニメ映画でありながら、大人向けの重い展開でした。
今作の「ルギア爆誕」は重い展開はほぼなく、込み入ったストーリー性はあまりありません。
それよりも、伝説の3匹のポケモンの暴走を止めるための宝探しのシーンがメインで、アドベンチャー的な要素が多い印象でした。
いうなれば、初期の「ドラゴンボール」的な感じですかね。
ポケモンアニメ映画は本作のような感じが子供にとってもわかりやすいでしょうね。
そして、前作では登場しなかったオーキド博士やサトシのママなどのポケモンアニメの登場人物も見せ場があり、ポケモンアニメの流れを多く取り入れようという意思を感じました。
悪役:ジラルダンの情報が少ない
今作の悪役の男は冒頭で野望を語り、巨大な飛空艇の武装でファイヤーを捕らえます。
サトシと出会ったときにポケモントレーナーではなく、ポケモンコレクターと豪語する謎の男。
この男が乗る飛空艇は、ロボットアニメの巨大戦艦のような武装を備えており、それが映ったときに
「この飛空艇、なかなか力入ってるなー」
と思わせてきました。
それはいいのですが、今作のボスの男の名は作中では明かされない上にサトシたちとの絡みもほとんどなく、野望はあっさり失敗するので影が薄いんですよね。
ちなみにその男の名がジラルダンというのが、エンディングのテロップでやっと分かります。
なぜ、伝説のポケモンたちにこだわるのかなどのエピソードもなく、なんか悪い奴が出てきたくらいの情報しか得られません。
そういう面でも前作とは大きく変わっていますね。
ただ、本来は子供向けの作品ですから、これぐらいの情報でもまあいいのかなあとは思いますが。
島のしきたりは無理がある?
サトシたちですが、たどり着いた島でフルーラという少女に出会います。
で、この少女が物語では重要な人物で、フルーラが島のしきたりのために、サトシやカスミとともに宝を集めることになりますが・・・
島のしきたりで宝を集めるという話ですが、宝は各島に1個しかないようですし、そこら辺の設定も若干謎があります。
毎回宝を取ってきては、用が終わったら戻しているというのでしょうか?
それに、サトシみたいな人が島に来なかったらどうするつもりなんだろう・・・
いろいろ気になるところですが、この辺も子供向けを意識したものなのでアバウトなのかもしれません。
とりあえず、冒険に出る流れにしておこうという感じか?
細かいことはいいから、ポケモンバトルやサトシの冒険のアクション重視って感じですね。
大人向けの要素といえば、オーキド博士の説明のシーンです。なぜ、気象が乱れているのかの説明がありますが、難しかったです。
とりあえずやばいみたいな雰囲気は、荒れた天候や終結するポケモンの様子で十分に感じ取れそうなのでまあ・・・。
なぜ言葉を話せる?
今回のメインポケモンのルギアですが、なぜか人間の言葉を話しています。
さらに、ヤドキングも人間の言葉で話しかけていますが、サトシたちは何も気にする様子もなくストーリーが進んでいます。
前作のミュウツーは人間の手によって作られた存在だったし、話の流れからしゃべっていても何となく納得できました。
だけど、ルギアやヤドキングはなぜ話せるのだろうってちょっとなりましたね。
ルギアは海の神というくらいですから、まあ何となく受け入れてもいい気もしてくるのですが、ヤドキングは完全に謎。
もしかして、アニメ版で何かヒントがあったりするのだろうか・・・
登場人物同士のやりとり
ポケモンの部分だけでなく、人間の部分も今回は描かれていて、それぞれに見どころがあります。
主要な登場人間のやりとりも心に響くものがありましたね。ただし、ケンジ、タケシは完全にお休み。
フルーラとカスミ
今作のヒロインがフルーラ。
サトシにあった途端にキスをしたので、フランクな人間かと思わせてきますが、サトシを危険な目に合わせたことを後悔したり、カスミと仲良くなったりとしっかり者感あり。
最後にフルーラの笛によって暴走を鎮めるシーンはなかなか熱いシーンです。
この笛、最初見たときはオカリナ?って思ったんですが、ただのオカリナではなかったんですね。
タケシが今回はほぼいないこともあり、フルーラ、カスミが目立ってます。
最初カスミはフルーラにラブコメ的な冷やかしをされて怒りをあらわにしますが、
カスミとフルーラは話が進むにつれて仲良くなり、世界を救うために協力します。
ファイヤーの島でサトシの無鉄砲ぶりを話すシーンが好き。
サトシのママ
なぜかオーキド博士についてきています。
「なぜそこにいる?」
と誰もが突っ込んだのではないでしょうか。
サトシの母親らしく、かなり突っ走るタイプか?
最後に子を心配する親心を見せ終幕。
サトシを怒るような口調で話しますが、今回は事情が事情だけに仕方ないような気も・・・
なお、「ハナコ」という名前があるようですが、エンディングのテロップではママになっていました。
ロケット団
前作と比べ今作ではかなり出番が豊富という印象。
お決まりの登場セリフもあり、なんかうれしくなります。様式美は大事よ。
「あれはいったい何だ!?」「何だかんだと・・・」
テンポのいいボケとツッコミは大人でも面白く見ていられますね。
墜落した飛行機のプロペラを利用して、氷の上を走るのはさすがに無理だろと思いますが、いつものむちゃくちゃな感じが出ていて面白いです。
お笑い要素だけでなく、サトシと協力する際にかっこいいセリフが。
本来はサトシのピカチュウを狙う悪役ですが、世界の危機においては敵も味方もないですからね。
ちなみに、ラストの「なんだかとってもいい感じー」の元のセリフの「やな感じー」は声優の方のアドリブという話が脚本の首藤剛志のコラムにあります。
そのせいかロケット団退場の決め台詞「やな感じー」は、声優さんのアドリブであり、それに触発されて映画版のラストのロケット団の台詞「なんだかとってもいい感じー」がすんなり書けたといってもいい。
http://www.style.fm/as/05_column/shudo195.shtml
「ルギア爆誕感」が薄い?
ルギアの登場シーンは海の中からドーンと現れて迫力があったです。
けど、ファイヤーたちにやられて海に落とされたところが
「ん?ルギアそんなに強くないのか?」
って思っちゃいました。
その後、宝をとったあとにルギアはサトシを乗せてくれますが、
「最初から乗せてくれればよかったのでは?」
てなりましたね。
ルギア爆誕というなら、なんかもっとルギアをアピールしてもよかったかな?って気がしますね。
前作の「ミュウツーの逆襲」は終始ミュウツーにフォーカスされていたので、その対比でそう感じるのかもしれませんが。
アクションの良さ
「ルギア爆誕」はアクション面での良さが際立っていますね。
ジラルダンの飛空艇もよかったですし、サンダー、ファイヤー、フリーザーのバトルシーンや、島の中を船やボートで走るシーンなども興奮度が高いです。
もちろん前作の「ミュウツーの逆襲」のようなメッセージ性の強いのもいいんですけども、アニメ映画はこういったスリリングな展開が醍醐味ですよね。
何よりわかりやすいですし。
あとは、たくさんのポケモンが終結するシーンなどもすごかったですね。
画面いっぱいに100匹以上いるシーンもありましたねえ。
あれだけの数を書くのは大変だっただろうなー。
「ルギア爆誕」感想・考察まとめ
「ルギア爆誕」はアクション要素を多く盛り込んだ、爽快感のある作品という印象でした。
ストーリー性は前作に比べ薄いものの、登場人物の見せ場やポケモンたちとサトシのアクションシーンが見どころです。
ただ、ルギア爆誕のタイトルでありながら、ルギアが味方でそこまで活躍した印象がないというのが、少し心残りではありました。
明るくて爽快な作品なので、気軽に見れる作品です。
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