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興行収入から見るコナン映画ランキング!コナン映画の軌跡も振り返ってみた

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本記事では劇場版「名探偵コナン」シリーズ26作品の興行収入ランキングを紹介します。

 

そして、劇場版名探偵コナンシリーズの人気の軌跡を他の作品の状況も交えつつ、深堀りしてみました。

 

名探偵コナンは欠かさず見てきたという方向けのマニアックな内容になると思いますが、コナン映画の歩みに興味がある方はぜひ見てみてください。

 

コナン映画:興行収入ランキング

No 公開年 作品名 興行収入
1 2023 黒鉄の魚影 138.8億円
2 2022 ハロウィンの花嫁 97.8億円
3 2019 紺青の拳 93.7億円
4 2018 ゼロの執行人 91.8億円
5 2020 緋色の弾丸 76.5億円
6 2017 から紅の恋歌(ラブレター) 68.9億円
7 2016 純黒の悪夢(ナイトメア) 63.3億円
8 2015 業火の向日葵 44.8億円
9 2014 異次元の狙撃手 41.1億円
10 2013 絶海の探偵(プライベートアイ) 36.3億円
11 2009 漆黒の追跡者 35億円
12 2002 イカー街の亡霊 34億円
13 2012 11人目のストライカー 32.9億円
15 2010 天空の難破船 32億円
14 2003 迷宮の十字路 32億円
16 2011 沈黙の15分 31.5億円
17 2006 探偵たちの鎮魂歌 30.3億円
18 2001 天国へのカウントダウン 29億円
19 2004 銀翼の奇術師 28億円
20 1999 世紀末の魔術師 26億円
21 2007 紺碧の棺 25.3億円
22 2000 瞳の中の暗殺者 25億円
23 2008 戦慄の楽譜 24.2億円
24 2005 水平線上の陰謀 21.5億円
25 1998 14番目の標的 18.5億円
26 1997 時計じかけの摩天楼 11億円

※参考URL

歴代ランキング - CINEMAランキング通信

過去興行収入上位作品 一般社団法人日本映画製作者連盟

 

コナン映画26作品の興行収入ランキングはこのようになっています。

 

興行収入が10億円を超えるとヒット映画といわれる中で、このような興行収入をたたき出しているのはすごいの一言です。

 

最新作「黒鉄の魚影」で100億超え

2023年公開の「黒鉄の魚影」でついに100億超えの138.8億円を達成しています。

コナン映画シリーズの人気ぶりを象徴する結果であり、一つの偉業と言ってもいいでしょうね。

 

ところで、興行収入100億超えのアニメ映画が他にどれほどあるのでしょうか?

 

調べたところ、興行収入100億円を超えたアニメ映画は2023年までで14作品ありました。

興行収入100億超えアニメ映画
No 公開年 作品名 興行収入(億円)
1 2022 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 404.3
2 2001 千と千尋の神隠し 316.8
3 2016 君の名は。 251.7
5 1997 もののけ姫 201.8
6 2004 ハウルの動く城 196
7 2022 THE FIRST SLAM DUNK 158.7
8 2008 崖の上のポニョ 155
9 2022 すずめの戸締まり 149.4
10 2019 天気の子 142.3
11  2023 名探偵コナン 黒鉄の魚影 138.8
12 2022 劇場版 呪術廻戦 0 138
13 2013 風立ちぬ 120.2
14 2021 シン・エヴァンゲリオン劇場版 102.8

※日本のアニメ映画限定

※参考URL:https://www.kogyotsushin.com/archives/alltime/

 

このそうそうたる顔ぶれの中に名探偵コナン映画が入ることになりました。

 

「黒鉄の魚影」は興行収入138.8億円ですから、表の青字のところ。

「劇場版 呪術廻戦 0」の上に入ることになります。

 

社会現象レベルの人気を誇った「鬼滅の刃」やスタジオジブリ作品、新海誠監督といった大ヒット映画に肩を並べるまでに至ったわけですが・・・

 

その要因はいったいどこにあるのでしょうか?

 

その理由を探るため、コナン映画の興行収入の伸びを見てみたいと思います。

 

純黒の悪夢」から大躍進


コナン映画の歴代の興行収入をグラフにしてみました。

1997年の「時計じかけの摩天楼」から徐々に興行収入は伸びていますが、2000年~2015年あたりは興行収入が25億~35億あたりで推移していることがわかります。

 

まあ、正直に書くと停滞感がうかがえる状況と言えるでしょう。

 

ところが、2016年の「純黒の悪夢」で突如、興行収入が伸び始めているのがわかります。

 

興行収入が伸びた映画1

 

さらに2018年の「ゼロの執行人」、2023年の「黒鉄の魚影」で一気に興行収入が伸びています。

 

興行収入が伸びた映画2

 

興行収入が伸びた映画3
  • 2022「ハロウィンの花嫁」興行収入97.8億円
  • 2023「黒鉄の魚影」興行収入138.8億円(41億円UP!)

 

キャラクター性を重視した?

名探偵コナン モノクローム マグ 安室 024188

上記で触れた作品に共通しているのが、安室徹が登場するという点です。

 

安室徹は「純黒の悪夢」で映画初登場したキャラですが、そこから映画に頻繁に登場するようになっています。

 

純黒の悪夢」から7作のうち4作に登場しています。大忙し。

 

安室徹が登場していない「から紅の恋歌」などでも興行収入が伸びてはいるので、安室徹だけが伸びた要因ではないのかもしれませんが、コナン映画大ヒットの火付け役とは言えるでしょう。

 

なお、その「から紅の恋歌」でも新たに大岡紅葉が登場していますから、誰かしらの登場人物を重要視していることが伺えます。

 

もともと名探偵コナンの原作には様々な人物が登場しています。

 

コナンや蘭、小五郎のほかにも服部平次灰原哀などいろいろいますよね。

 

劇場版では3作目の「世紀末の魔術師」で服部平次怪盗キッド灰原哀などの主要キャラが初登場となっています。

 

その後、5作目の「天国へのカウントダウン」で黒の組織ジン、ウォッカが初登場となり、そこでは興行収入も伸びを見せてはいました。

 

ところが、それ以降の映画では新たな主要キャラの登場が少なくなっています。

 

服部平次怪盗キッドは何度か登場していますが、そのほかのキャラはあまり出てきませんでした。

 

原作のほうでは、赤井秀一ベルモットなどが登場するも映画にはなかなか登場せず、ベルモットが登場したのが、13作目「漆黒の追跡者」、赤井秀一は18作目の「異次元の狙撃手」とかなり遅くなっています。

 

そういう事実も踏まえると主要キャラの登場が映画のヒットにつながったというのは、一理あるのではないでしょうか。

 

コナン映画の歴史:軌跡と成功の要因

ここからは、初期からのコナン映画の軌跡を見ていきます。

 

コナンアニメが伸びる

まず、1997年に1作目の「時計じかけの摩天楼」が公開されました。

 

が、この年はジブリ作品の「もののけ姫」が1997年の映画全体では圧倒的なヒットを見せています。(興行収入201.8億)

 

しかし、興行収入200億超えの大人気映画「もののけ姫」がある中でコナン映画「時計じかけの摩天楼」も11億円と大ヒットを見せています。

 

このことから、コナン映画が1作目から好調だったということが言えそうですが、その理由を探るべくコナンアニメのほうにも着目してみます。

 

名探偵コナンのアニメは1996年の1月8日に1話が放送されていますが、実は初回から視聴率が高いわけではなかったのです。

 

コナンアニメのプロデューサーの諏訪道彦氏のインタビューにその内容が触れられています。

 

第1話の視聴率はさほど芳しくなく、初回は関東で8.5%、関西で12.7%だったと思います。翌週には関東でも2桁に乗り、関西は13%ぐらいまで伸びたんですけど、それから数ヶ月はそのまま低空とは行かないまでも、“中空”飛行がずっと続きましたね。

【インタビュー】「真実はいつもひとつ!」の生みの親、諏訪道彦が語るアニメ『名探偵コナン』誕生秘話 - ライブドアニュース

 

このインタビューの続きでは、第11話「ピアノソナタ『月光』殺人事件」の1時間スペシャルや週刊少年サンデーの特集などで、徐々にに人気を伸ばし続けて、視聴率を伸ばしていったことが書かれています。

 

アニメをヒットさせるためのこうした取り組みが、コナン映画シリーズの好調さにつながったと言えるでしょうね。

 

そして、1999年から2001年の3年間でアニメの年間視聴率が20%を超え、大ヒットアニメへとおどり出ています。

 

1999年から2001年の3年間ですね。今の時代では考えられない数字ですが、年間視聴率が20%を超えて、読売テレビの社屋にコナンの銅像が建つ異例の事態となりました。民放のテレビ局にキャラクターの銅像が建っているのは唯一じゃないかと思います。

【インタビュー】「真実はいつもひとつ!」の生みの親、諏訪道彦が語るアニメ『名探偵コナン』誕生秘話 - ライブドアニュース

 

年間トップには届かない時期が続く

 

ところで、コナン映画と同じくして伸び始めたアニメ作品がありました。それが「ポケットモンスター」シリーズです。

 

ポケモン映画はゲームとの連携もあってか、コナン映画をしのぐ興行収入となっていました。

 

1999年のコナン映画「世紀末の魔術師」はコナン映画シリーズでは当時最高となる、興行収入26億円を記録していましたが、

同じく1999年公開のポケモン映画「劇場版 ポケットモンスター 幻のポケモン・ルギア爆誕/ピカチュウたんけんたい」は興行収入64億円となっており、興行収入の上では強力なライバルがいたのです。

 

そして、2000年代はジブリ映画がアニメ映画を牽引しており、ポケモンシリーズの人気にも押され、アニメが大ヒットしていた1999~2001年においても、コナン映画が年間興行収入トップの座を獲得するには至っていない状況でした。

 

年間興行収入1位(邦画)
西暦年 作品 興行収入(億円)
1997 もののけ姫 201.8
1998 踊る大捜査線 THE MOVIE 101
1999 劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕 64
2000 劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI 48.5
2001 千と千尋の神隠し 316.8
2002 猫の恩返し 64.8
2003 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! 173.5
2004 世界の中心で、愛をさけぶ 85
2005 ハウルの動く城 196
2006 ゲド戦記 78.4
2007 HERO 81.5
2008 崖の上のポニョ 155
2009 ROOKIES -卒業- 85.5
2010 借りぐらしのアリエッティ 92.6
2011 コクリコ坂から 44.6
2012 BRAVE HEARTS 海猿 73.3
2013 風立ちぬ 120.2
2014 永遠の0 87.6
2015 映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン! 78
2016 君の名は。 251.7
2017 名探偵コナン から紅の恋歌 68.9
2018 劇場版 コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 93
2019 天気の子 142.3
2020 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 404.3
2021 シン・エヴァンゲリオン劇場版 102.8
2022 ONE PIECE FILM RED 203.3
2023 THE FIRST SLAM DUNK 158.7

そして、先ほども書きましたが、2000年~2015年はコナン映画の興行収入が25億~35億あたりで推移しています。

 

その間、アニメ映画ではポケモンジブリなどが年間トップの座を勝ち取り、上の表には出ていませんが、コナン映画は3位や4位が多い状況となっています。

 

もちろん名探偵コナン映画は、すべてがヒット映画には間違いありませんが、伸びは停滞していると言わざるを得ないでしょう。

 

前述のインタビューにも書いてありますが、アニメのほうも視聴率が落ち込んでいる状況となっていたようです。

 

コナン制作陣としても、ここから果たしてどう巻き返すのかというところになっていたと想像します。

 

静野孔文監督がコナン映画を変える

 

コナン映画を巻き返した要因としては「沈黙の15分」から監督になった静野孔文の影響があるでしょう。

 

上記でも紹介した諏訪氏のインタビューでも触れられていますが、静野監督はコナン映画をよりアクション性やキャラクターを重視した内容に変えています。

 

さらに『沈黙の15分(クォーター)』(2011年公開)から静野孔文さんが監督として加わったことで、アクションやキャラクターの魅力を最大限に引き出した、今に通じる「エンタメとしてのコナン映画」を確立できたのかなと思います。

【インタビュー】「真実はいつもひとつ!」の生みの親、諏訪道彦が語るアニメ『名探偵コナン』誕生秘話 - ライブドアニュース

 

静野監督は「沈黙の15分(2011)」から「から紅の恋歌(2017)」まで務めています。

 

興行収入が飛躍的に伸びた「純黒の悪夢(2016)」も静野監督であり、コナン映画の成功を語るうえでは欠かせない存在と言えるでしょう。

 

ちなみに、「から紅の恋歌」は年間の興行収入トップを記録しています。コナン映画シリーズでは初です。

 

静野監督のコナン映画

 

コナン映画の監督や脚本について詳しくはこちらでまとめています。

suzuki2018.hatenablog.com

 

ちなみに、前述したポケモンシリーズ映画も長年続いており、興行収入では毎年のようにコナン映画の上でした。

 

が、2013年の「絶海の探偵」で初めて興行収入ポケモン映画を上回ることになりました。

それ以降、ポケモン映画シリーズより興行収入が下回る年はなくなり、ポケモン映画は2020年の「劇場版ポケットモンスター ココ」が最後となっています。(2023年現在)

 

そういう意味ではコナン映画はうまく「生き延びた」ともいえるかもしれません。

 

コナン映画は主要キャラとアクションが引っ張るか

「黒鉄の魚影」は灰原哀黒の組織のトップ2のラムがフィーチャーされた作品ということもあり、人気につながったと言えるでしょう。

 

そして、潜水艦からの脱出劇やカーチェイスなどのアクションも見どころでした。

 

この先のコナン映画も新たなキャラの活躍とアクションをどのように見せてくれるのか。

そして、コナン映画の興行収入がどこまで伸びるのかを楽しみにさせてくれますね。

 

「黒鉄の魚影」は2023年の興行収入ランキングでは2位の138.8億を記録。なお、1位は「THE FIRST SLAM DUNK」で158.7億でした。

 

惜しくも年間1位を逃したものの、対抗馬が強かったと言えるでしょう。

 

2024年もコナン映画は公開が予定されていますし、この勢いを見ると2度目の年間興行収入1位の座を獲得するのも秒読みと言えそうです。

 

コナン映画興行収入ランキングと軌跡まとめ

今回の記事では、コナン映画興行収入ランキングと、コナン映画が人気となるまでの軌跡をまとめました。

 

様々な人気アニメ映画がある中で興行収入を伸ばし、ついに100億円をこえたコナン映画。

 

興行収入の上では伸び悩んだ時期もあったものの、アクション性やキャラクター性を押し出すことにより、大躍進を果たしています。

 

この先、コナン映画がいったいどこまで上り詰めるのかその可能性は計り知れませんね。