「劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を超えた遭遇(であい)」(2001)はポケモン映画シリーズの第4作目の作品です。
前作の「結晶塔の帝王 エンテイ」から脚本に関わっていた園田英樹氏が今作から一人で脚本担当となっており、首藤剛志氏は前作で卒業という形となっています。
今回の記事ではそんな「セレビィ 時を超えた遭遇」を見たことがなかったので、見てみた感想、考察、レビューを行っていきたいと思います。
「セレビィ 時を超えた遭遇」レビュー・考察・感想
脚本担当が変わった
森の中でセレビィ(声:杉山佳寿子)と出会った少年:ユキナリ(声:戸田恵子)が40年後の世界でサトシたちとの友情を描くというストーリーです。
脚本担当が変わったということで、映画の雰囲気は過去3作品と大きく変わったと感じました。
これまでの作品のように世界がどうこうという大きなスケールではなく、私利私欲のために行動する人間と自然の中のポケモンたちという構図となっています。
ポケモンアニメは1997年放送開始なので、今作が公開された2001年当時で放送開始4年目。
もともと世界レベルの話ではないストーリーのため、このような感じになったのかもしれません。
映画オリジナルの登場人物と思われたユキナリですが、エンディングの映像でその正体がわかるので最後まで気を抜かないように。
グラフィックのクオリティの高さ
そして、今作は森の中でセレビィやその他のポケモンたちとの触れ合いがありますが、
グラフィックの面でとてもきれいな印象を受けました。
アニメーションの詳しいことはわかりませんが、冒頭でユキナリが逃げるシーンからして、グラフィックのクオリティの高さに驚かずにはいられません。
ポケモン映画で森を舞台にした作品は今作が初ということもあり、目新しいというのも多少は手伝っているのかもしれないですけど。
ポケモンが人の言葉を話さない
今作から変わった点として、人間の言葉を話すポケモンがいないことが挙げられます。
ポケモンアニメではロケット団のニャース以外は原則言葉を話さないため、その点でもポケモンアニメの原作に近づいていると言えるかもしれません。
もちろん、メインポケモンのセレビィも言葉を話せないとなると、意思を伝えるのが困難になることは予想できるので演出面では大変そうですが・・・
そこは声優の杉山佳寿子氏の技量によって、違和感を微塵も感じることなく見ることができました。
杉山佳寿子氏は「アルプスの少女ハイジ」のハイジや「キテレツ大百科」の2代目コロ助を演じていた方。制作側も演技のほうは心配無用だったことでしょう。
森のポケモンとの触れ合い
サトシたちと森のポケモン全体が親し気に触れ合う感じがあります。
セレビィの力もあるのでしょうが、リングマ、オドシシなどなど様々なポケモンたちに迎えられていのちのみずうみへとたどり着く。
ポケモンたちとフレンドリーに接するというポケモンアニメの流れを踏襲した感じがしました。
片や、ビシャスは力づくでポケモンを捕獲し、私利私欲のために動くという対照的な存在。
特に意味もなく森を破壊していく光景は、イラっとする人もいたかもしれないですね。
タケシ、カスミの出番はほぼない
今作はサトシとユキナリとセレビィの間を中心に描かれたこともあって、ポケモンアニメの主要な登場人物であるタケシとカスミの出番がかなり少なくなっています。
前作の「結晶塔の帝王」ではそれなりに出番があっただけに、タケシ、カスミファンにとってはやや物足りなさを感じたかもしれません。
ポケモンアニメ(無印)はサトシ、タケシ、カスミがそれぞれ活躍してこそというのは過言ではないですよね?
その他、ロケット団については悪役のビシャス(声:佐野史郎)とともにセレビィを狙います。
とはいえ、出番は少しという印象です。サトシと協力するという展開もありません。
一応、ラストはロケット団が飾りますが・・・。
泣けるクライマックス
サトシたちは悪役のビシャスからセレビィを救出しますが、セレビィは衰弱してしまいます。
ここからのクライマックスの展開が今作の一番の見どころです。
映画のタイトルのポケモンでは初めてサトシと友達になったセレビィ。
セレビィとの思い出が呼び起され、号泣必至のシーンです。
そして、さらにユキナリとの別れ。追い打ちもいいところです。
いつも前向きで明るいサトシが泣くっていうギャップが心に来るんですよね。
「泣けるポケモン映画を探している」
という方が居たらぜひ今作を勧めてほしいですね。
特に前夜にユキナリが過去から来たことを意識しなおすシーンもあって、いずれ来る別れの時への「寂しさ」みたいな空気を出していたりします。
「セレビィ 時を超えた遭遇」レビュー・考察・感想まとめ
「セレビィ 時を超えた遭遇」は森のポケモンやユキナリの友情にフォーカスした作品という印象でした。
人とポケモンの触れ合いの対比といずれ別れが来る運命にある少年の友情が見どころです。
クライマックスのシーンは泣けるので、泣きたい映画を観たい方にはおすすめです。
ただ、悪役の設定などはざっくり感があるのでそこら辺は子供向けという感じを受けますね。
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