「劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス」(2002)はポケモン映画シリーズの第5作目の作品です。
今作はサトシ、タケシ、カスミがメインで冒険するいわゆる「無印編」の映画としては最後の作品となっております。
今回の記事ではそんな「水の都の護神 ラティアスとラティオス」を見たことがなかったので、見てみた感想、考察、レビューを行っていきたいと思います。
「水の都の護神」レビュー・考察・感想
おおよその流れは前作と似てる
今作はタイトルにポケモンが2匹入っており、ポケモンシリーズでは初めてです。
ラティアスとラティオスは映画のポスターやパッケージを観ればわかりますが、赤と青の色が違うだけでそっくりの姿となっています。
ですが、ストーリーの大筋の流れは前作の「セレビィ 時を超えた遭遇」と似ている印象です。
守り神のポケモンとサトシが触れ合い、それを壊す人間の行い。そして、サトシが救出というもの。
別に悪いというわけではなく、「無難な流れにしてるなあ」って感じです。
「ミュウツーの逆襲」みたいに攻めたことはしてないよってことですね。
イタリアのベネチアがモデル
今作で特徴的なのはその舞台設定。
「アルトマーレ」という島が舞台ですが、その姿はまるでイタリアのベネチアを連想させる水の都。
タイトルにも「水の都」と書いてありますが、まさにそれです。
子供ならいざ知らず、大人であれば
「ベネチアっぽいなあ」
と映画を観ているうちにどこかで感じる人もいたのではないでしょうか?
実際wikipediaを見ると
舞台である「アルトマーレ」はイタリア語で、直訳すれば「永遠なる海」。アルトマーレのモデルはイタリアの都市ヴェネツィアであり、
とあり、実在する街がモデルとなっているようです。
ポケモン公式にもイタリアのベネチアがモデルの旨が書いてありました。
https://www.pokemon.co.jp/tv_movie/movie/2002/
実在する街がモデルというのは見ているほうも親近感がわくというか、ひかれる要素ではないでしょうか。
例えば、テレビの旅番組で地元が紹介されているとなんかうれしくなったり、見たくなったりすることってありますよね?
そういう意味では、なかなか面白いアイデアだと言えるでしょう。
その舞台を活かそうという意思の表れかわかりませんが、作中でも街の中を駆け巡り、街の情景を存分に映し出してくれています。
水上レースだったり、サトシがラティアスを追って街中を走ったり。
その時のアコーディンのBGMも雰囲気にあっていますし、ゴンドラにのせてくれたおじさんが「チャオ」といっていたりしているところもこだわりを感じますね。
「チャオ」とはイタリア語で一般的な挨拶です。「こんにちは」「さようなら」の意味で使うカジュアルな挨拶です。
悪役も二人組
ストーリーについては最初に少し触れましたが、2人組の怪盗が「こころのしずく」を奪ってラティオスの力を利用するというものになっています。
この怪盗が悪役なのですが、特に野望とか目的などは多くは語られず、なんか悪いことする人たち程度の情報です。
一応、銀髪のリオン(声:釈由美子)はこの力なら世界征服もできるなどと話しており、金髪のザンナー(声:神田うの)は金がほしいなどと話してはいます。
まあ、子供向けの映画ですし、尺も72分と短めなので悪役については薄くても仕方ないところでしょう。
この二人の怪盗はなかなか頭脳もさえていて、ポケモンと人間の体温の違いをもとにしてラティアスを見つけていたりします。秀才か?
ラティオス、ラティアスの持ち味
ラティオス(声:江原正士)とラティアス(声:林原めぐみ)は前作のセレビィ同様に言葉を話しません。
ポケモンアニメでは毎度のことですが、鳴き声だけでポケモンの感情を表しているのはさすがですね。
サトシとじゃれあったり、ラティオスを助けに行ったりと様々なシーンでちゃんと感情を表しています。
タイトルに「護神」とありますが、近づきがたいオーラがあるポケモンとかではなくて、フレンドリーな感じですね。
ラティオスのほうは、しっかりしてそうな感じですが、ラティアスのほうはかなり幼げなポケモンとなっています。
キスしたのはどっちだ?
サトシはアルトマーレから出発する際に、カノン(声:折笠富美子)らしき女性がキスをして別れます。
カスミは「今のはカノン?それともラティアス?」というのですが、見ただけではどちらかわかりません。
この映画を視聴した方はどっち派が多いのでしょうかね?
私はラティアス派です。
帽子をかぶってないとかそういうのもありますが、それ以前にカノンがキスするだけの流れが見えないからです。
ラティアスはサトシとかなり楽し気に遊んでいたので、サトシにキスをするくらいの感情はあっても不思議ではないです。
ですが、カノンにとってサトシはたまたま会っただけの少年でしかないでしょう。
大聖堂では拘束を解いていたりしますが、島を救ったのはラティオスですし、普通キスまではいかないですよね?
ということでラティアスがキスしたとみてました。
サトシ以外の出番が少ない
今作はタケシ、カスミ、ロケット団の出番は少ないです。
タケシ、カスミはサトシと行動を共にする仲間ですが、今作ではサトシが単独で動くことが多く、あまり出番がない印象ですね。
ロケット団も話の合間にちらっと出てきますが、サトシとの絡みは0でした。
なので、メインの登場人物の活躍が見たい方には物足りない映画かもしれません。
ラティオスの結末をどう伝えるか
どう伝えるかっていうのは演出の話です。
クライマックスはハラハラ展開。
一度はピンチが収まったかと思いきや、「街がすべて沈んでしまう」という絶体絶命の状況に。
心のしずくが砕け散ってしまい、大津波が押し寄せてきたのです。
そのピンチもラティオスによって何とか防ぎますが・・・
大津波を鎮めた後の演出は、そうとうぼかしていますよね。
前作のセレビィは衰弱したところからの復活でしたが、ラティオスの場合は正直かなり抽象的ですよね。
天に上る状況をマイルドに表現したかったのでしょうかね?
「あっ・・・」
という感想を視聴者に持たせ、それを察してもらおうとしたのかもしれないですね。
あまりストレートな表現にすると子供が泣いてしまうかもしれないですし。
エンディングの映像では、空を飛ぶ3匹のポケモンが見れます。ラティオスらしき姿が2匹、ラティアスらしき姿が1匹です。
冒頭の話を思い出すとラティオスとラティアスは唯一の存在ではなく、子孫がいるっぽいので、複数映っていたのでしょうかね?
「水の都の護神」レビュー・考察・感想まとめ
「水の都の護神 ラティアスとラティオス」はこれまでのポケモン映画とは異なった、水の都の雰囲気と、クライマックスの含みが持ち味の作品という印象でした。
ベネチアをモデルにした水の都でのサトシとラティアス、ラティオスの出会うまでのドキドキと結末の行方が見どころです。
ただ、タケシ、カスミ、ロケット団の活躍は少な目なので、その辺がもう少し見ることができたら・・・というのはありました。
短い映画なのでその辺は仕方ないのかもしれません。まあそれを差し引いても見ごたえはしっかりある映画と言えるでしょう。
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