「劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜(ななよ)の願い星 ジラーチ」(2003)はポケモン映画シリーズの第6作目の作品です。
今作はアドバンスジェネレーションとして最初のポケモン映画。
といっても、サトシとともに行動する登場人物が変わっただけで、根本的なところはあまり変わっていません。
アニメを知らなくても、普通に見れます。
今回の記事ではそんな「七夜の願い星 ジラーチ」を見たことがなかったので、見てみた感想、考察、レビューを行っていきたいと思います。
「七夜の願い星 ジラーチ」レビュー・考察・感想
話の流れは過去2作と似てる?
アドバンスジェネレーションになってから最初のポケモン映画作品。
とはいえ全体的な流れは前作や前々作と似ています。
とまあこんな感じ。
ある意味無難という感じですかね。
そもそも子供向けの映画ですし、話の展開を毎回毎回変える必要もなくて、かわいいポケモンだったりが活躍すればいい。
というような制作側の意図なのかもしれません。
ただし、前作の「水の都の護神 ラティオスとラティアス」よりは、悪役やストーリーの展開はしっかり描かれている印象です。
悪役のバトラー(声:山寺宏一)が
「なぜこんなことをするのか」
という動機の部分がしっかり見えています。
しかも、バトラーには幼馴染のダイアン(声:牧瀬里穂)という女性もいて、悪役のほうにもドラマ性があります。
そういう意味では大人が見ても楽しめる要素はあると言えるでしょう。
ジラーチは人の言葉を話すかわいい系
今作のメインポケモンのジラーチ(声:鈴木富子)は「結晶塔の帝王 エンテイ」以来となる人間の言葉を話す設定になっています。
話すと言ってもテレパシーで直接脳に話しかけている感じです。
ジラーチはかわいい系の姿をしています。サンリオのキャラクターとか「ちいかわ」とかそっち系ですね。
ポケモン映画では何かしらの能力を持っていますが、ジラーチは真実の目で彗星のエネルギーを引き寄せるという力。
まあ顔はかわいい系ですが、真実の目があるのでそっちはやや不気味系といったところですかね。
願いをかなえるポケモンの誘惑
映画のタイトルの通り「願い」がこの作品のテーマになっています。
何でも願いをかなえてくれるポケモン。
もし、そんなポケモンがいたら誰だって欲しくなります。
でも結局はそんなうまい話はないんじゃないのか。
でもそんな話があったら信じてみたくなる。
そんな人間の弱さみたいなものをこの映画は示していたのだと感じました。
サトシたちのお菓子のシーンや、バトラーのグラードンのシーンはまさにそれを体現していたのでしょうね。
そううまくはいかないんですよ。人生の縮図みたいなものです。
ラストのハルカのセリフもそれを物語っています。
グラードンの衝撃
バトラーはジラーチによって、「願い」を叶えます。
そして、グラードン(声:小西克幸)が復活するのですが、これがポケモンとは思えない姿。
ゴジラみたいな大怪獣レベルのサイズとなっています。しかもクラゲの足みたいな触手でポケモンや人を吸収するというまさに化け物。
ゲーム版のポケットモンスターのグラードンのイメージがある人は、たぶん面食らうはず・・・
バトラーも自身が想像していた姿と違って、ショックを受けます。単純に怖いですし。
やはり、都合のいいようにはいかないんですね。
まあここら辺のボーマンダにのったバトラーとフライゴンにのったサトシの空中戦は、ポケモン映画の醍醐味のアクション要素が出ていて興奮するところなんですけど。
ジラーチとの別れ
タイトルにもありますが、もともと7日間の運命。
ジラーチとマサトは仲良くなりましたが、グラードンをしずめたところでいよいよジラーチとのお別れ。
マサトは別れを惜しむところもありましたが、
サトシの励ましで受け入れています。
7日間限定というのは初めからわかっていたことのはずですが、別れとなるとやはり悲しいものですね・・・泣けるシーンです。
ハルカの願いグッズであと何日かを伝える演出もいいですね。
字幕とかナレーションとかで伝えてもいいですが、こっちのほうが願いというテーマ性にもあっていますし、ラストの言葉にもつながります。
今回はサトシたちの4人組はほぼ一緒に行動しているので、それぞれの出番が少ないという印象はありませんでした。
なお、ロケット団についても最初のほうに見せ場が一応あります。
「七夜の願い星 ジラーチ」レビュー・考察・感想まとめ
「七夜の願い星 ジラーチ」はジラーチとの触れ合いと人の願いをかなえることの誘惑を示した作品という印象でした。
ジラーチとの触れ合いは、ポケモン映画では定番ですが温かい感じでいいですね。
そして、願いをかなえてくれるポケモンという誘惑に取りつかれた人間の愚かさみたいなのを表していて、大人向けな要素もあります。
悪役にも背景が見えますしね。
大人になってから見ると、そういったメッセージ性を感じることができて、また違った面白さがあるかもしれません。
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